ライブやコンサートの裏側、見せちゃいます!【音響(PA)のお仕事】
ライブやコンサートの裏側では多くのスタッフによる準備が行われているのをご存じでしょうか?
その中でも音響(PA)セクションは、音を出すもっとも重要なポジションです。
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もくじ
音響の仕事
音響の仕事と一言に言っても
- 野外での仕事
- ホールでの仕事
- 仮設の仕事
- 常設の仕事
- 音楽イベントの仕事
- 講演会の仕事など
催しや場所によって仕事内容や進め方はさまざまです。
今回は、一般的に行われるコンサートやライブの音響スタッフが、当日にどんな仕事をしているかを、基本的な流れに沿って解説していきたいと思います。
機材出し、積み込み
仕込み日までにPAオペレーターが出したプラン、出庫票をもとに必要な機材を出していき、機材車に積み込みます。
以下ここでのポイントです。
- 忘れ物がないように入念にチェック
- 積み込みは荷崩れしないように、機材に負担がかからないように気をつける
積み込むタイミングは、イベントによってまちまちですが、搬入時間が早い場合は当然朝早くや、前日に積み込むことがあります。
搬入
現地に到着したら、主催者の指示のもと機材を搬入していきます。
以下ここでのポイントです。
- 機材車から降ろし一旦ためる時は、人や機材が通る導線をふさがないようにする
- 搬入時、ステージで使う物、上手・下手で使う物、PAブースで使う物など、仕分けながら行うことで仕込みがスムーズに作業できる
参考:【ライブハウスの】上手(かみて)と下手(しもて)ってどんな意味?
仕込み~チェック
搬入が終わったら、順番に仕込んでいきます。
機材を設置したり、実際音が鳴る状態にまで準備することを音響の世界では仕込みと言います。
まず電源関係、アウトから仕込む
電源を所定の場所から、各使用場所まで引いていきます。
アウトは音声信号の出力やスピーカーを差します。
催しの規模にもよりますが、メインスピーカーが1番重さがあるので人数が必要な場合もあります。 (小さめのスピーカーの場合もメインスピーカーから仕込みます)
メインスピーカー、モニタースピーカーを仕込んでいる間にオペレーターはミキサー周りを仕込んでいきます。
次にインプットを仕込む
インプットは音声信号の入力、マイクなどのことを差します。
必要なマイク、マイクスタンドを出して大まかな場所に仕込んでいきます。
仕込みが終われば順番に回線チェック
ますはアウトのチェック=結線しているスピーカーから音が出るかの確認を行います。
すべてのスピーカーのそれぞれのユニットがちゃんと鳴っているか1つずつ確かめます。
次にインプットのチェック=結線しているマイクが正常に音ができるかの確認を行います。
使用するすべてのマイクを1本ずつ確かめます。
仕込みに問題なければ、オペレーターはチューニングに
仕込みが終わるとライブオペレーターは、音響機器のイコライザーを使い、会場で鳴る音の調整(チューニング)を行います。
参考:なぜPAさんは「チェック・ワン・ツー」とマイクチェックするのか?
その間にステージスタッフは、出演者やお客さんがつまずいたり、邪魔にならないようにケーブルを奇麗に処理し、電源が抜けないように固定したり、野外の場合は、濡れると危険な箇所は濡れないようにビニールをかぶせます。
このことを「養生する」と言います。
リハーサル
https://www.youtube.com/watch?v=g-FBe1RnIeU
出演者が何組も出る場合は「逆リハ」といって、プログラムとは逆の順番からリハーサルを行うことが多いです。
参考:【バンド初心者のための】「順リハ」と「逆リハ」ってなに?
本番通りのセッテッィングで行い、使用するマイクの本数、モニターの数や位置、モニターのバランスなどを確認していきます。
リハーサル中は出演者とオペレーターのやり取りが円滑に行われるように橋渡しをします。
ここでのポイントは以下です。
- まずはセッティング図を見て大まかにセットし、その後、出演者のやりやすい位置へ機材を微調整
- 実際に演奏してもらい、モニターのバランスを決める
- 演奏している間に各モニターを聴いて回り、自分の耳でも確認
- 演奏終了後、出演者にモニター具合を聞き、オペレーターに伝える
- リハーサルが進んでいき、変更がなさそうになってきたら、モニターの位置をバミる(バミるって? 参考:珍・音楽”業界”用語の基礎知識 )
- リハーサルで決まったこと、変更したことは、どんなささいなことでもセッティング図などに書き込み、本番で再現できるようにする
本番
メインのPAオペレーターは、基本的に客席でオペレートします。
リハーサルを行っていても本番では何が起こるかわからないので、ステージに細心の注意を払います。
そして、本番中は転換の場面があります。
リハーサルで決定した通りにセッティングします。
ここでのポイントは以下です。
- ステージを気にしつつ次の転換で何をすべきかを確認
- 転換は素早く、確実に行う
バラシ~搬出
本番が終わるとすべてバラシ、元どおりに戻します。
バラシは、だいたい仕込みとは逆の順番にバラしていきます。
- 仕込み時よりバラシは各セクションがほとんど一斉にバラシを始めるので、周りに注意しながら慌てず素早くバラす
- バラシが終わったら、梱包する(ケースにしまう)
- バラシ、梱包が終われば、積み込む(搬入してきた時と同じ順番で積み込めればスムーズにできるので、搬入時の状態を覚えておく)
- 積み込めれば、最後に会場内をグルッと回り、忘れ物・忘れ物がないかをチェック
- 養生で使っていたテープやビニールもすべて持ち帰る
最後に
簡単ではありますが、コンサートやライブの音響スタッフの流れがお分かりいただけたでしょうか?
今回は音響にのみスポットを当てて書きましたが、当然他のセクションも一緒に仕事をしているので、すべての作業で他セクションとの兼ね合いがあります。
同じ催しでも、毎回同じということはないところがこの仕事の魅力とも言えます。
ライタープロフィール
PA・音響
チェックワンえんちゃん
音響フリーランス女子。
専門学校卒業後に所属していた会社(フリーランス集団)が解散後、完全フリーとなり今に至る。
生き抜くために奔走中!